TAMRON 35-150mm F/2-2.8 Di III VXDで撮る動物園(神戸どうぶつ王国)

 2021年10月に発売されたソニーEマウントレンズ「TAMRON 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD」。
このレンズはメーカーによると「ポートレート撮影に最適なレンズ」として開発されたもので、ポートレート撮影向けに最適化された多くの特徴を持つレンズですが、その中で特に注目したスペックがこの2つ。
・35mm~150mmまでの焦点域をカバー
・ワイド端で開放F2、最短撮影距離0.33m
私自身はポートレート撮影はしないのですが、このスペックを見た瞬間に「これは動物園や水族館撮影にもぴったりなレンズでは?(特に水族館で)」と感じ、購入に至りました。

動物園撮影によく利用されるズームレンズ

動物園でよく利用されるソニー純正ズームレンズは、
・SEL70200GM2(焦点距離70mm-200mm)
・SEL100400GM(焦点距離100mm-400mm)
・SEL200600G(焦点距離200mm-600mm)
といった辺りかと思います。これらのレンズに比べると、このレンズの焦点距離はかなり短く感じられます。確かに、すべての動物園でこのレンズが最適とはなりませんが、ガラス展示が多用され動物と来園者との距離がとても近い動物園では、これ一本でもいろいろな動物の姿を収めることが出来るのではと考えました。というわけで、今回は、そういった動物園の一つである「神戸どうぶつ王国」で撮影した写真を紹介していきます。なお、撮影機材はすべてソニーα1となります。

動物園撮影におけるこのレンズの良いところ

スナドリネコ。展示施設の奥からガラス面ギリギリまでやってくるところを撮影しました。
1枚目:焦点距離150mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO12800
2枚目:焦点距離70mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO10000
3枚目:焦点距離35mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO8000

このレンズ最大のメリットは、こういう場面です。ソニー純正のF2.8通しのズームレンズでは24-70、70-200と2本のレンズを切り替えて撮影する必要がありますが、このレンズであれば、レンズ交換することなく手前に移動してきた被写体を捉えることが出来ます。

ペリカンフライトの様子。1枚目ではフライトコースの全景と着水しながら迫るペリカンの姿を収めることが出来ました。
焦点距離35mm 絞り優先AE(F2.0、1/4000) ISO100
焦点距離70mm 絞り優先AE(F2.8、1/4000) ISO125 ※SEL70200GM

こちらの2枚。1枚目はこのレンズで、2枚目はSEL70200GMで撮影したものです。70mmでは着水のタイミングで、すでに両方の羽が見切れる状態になっています。園内の雰囲気を伝えつつ、動物の姿も収めたい場合に、とても使いやすいレンズです。

ガラス展示場のアライグマ。かなり暗い展示場のため開放F2が生きます。
焦点距離35mm 絞り優先AE(F2.0、1/1000) ISO5000

実は動物園は屋外施設でも暗い場所が多くあります。特に動物の展示場は日が当たることを避けていたり、日が差す展示場であっても動物たちは日陰に隠れていて、周りは明るいけど動物が居るところは暗いということがよくあります。また、動物と来園者の間が檻やガラスで仕切られている展示場も多く、こういった環境で動き回る動物を被写体がブレないシャッタースピードで綺麗に撮影するためには、開放F値が明るく、口径の大きなレンズが有利となります。

このレンズは、F2~F2.8という明るさと大きな口径という、動物園撮影で使用するレンズとして優秀なスペックを有しています。

園内の掲示物。1枚目の掲示物に乗っているヨタカは置物ではありません。
1枚目:焦点距離43mm 絞り優先AE(F2.2、1/1000) ISO800
2枚目:焦点距離46mm 絞り優先AE(F2.8 1/1000) ISO320

園内には、動物の名前や生態が書かれた掲示物が各所に配置されています。こういう掲示物を望遠ズームで撮影する場合、掲示物との距離をかなりとる必要があります。狭い通路だと距離が取れなかったり、距離が取れても他の来園者が横切ったりして、なかなか撮影出来ないこともあります。

このレンズの35-150mmの焦点距離は、望遠側で動物を大きく撮りつつ、掲示物は広角側で撮ることが出来るのでとても便利です。

神戸どうぶつ王国の動物たち

このレンズで撮影した動物たち。

マヌルネコ。
1枚目:焦点距離80mm マニュアル(F2.5、1/500) ISO400
2枚目:焦点距離150mm マニュアル(F2.8、1/500) ISO250

母子展示されているサーバル。
1枚目:焦点距離105mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO1250
2枚目:焦点距離143mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO2500

シンリンオオカミとスマトラトラ。
1枚目:焦点距離150mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO320
2枚目:焦点距離150mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO800

ナマケモノとベニコンゴウインコ、ルリコンゴウインコ。
1枚目:焦点距離150mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO500
2枚目:焦点距離91mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO320
3枚目:焦点距離50mm 絞り優先AE(F2.2、1/1000) ISO160

スナネコ。
1枚目:焦点距離150mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO250
2枚目:焦点距離99mm 絞り優先AE(F2.8、1/1600) ISO100
3枚目:焦点距離150mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO1600

ビントロング。
1枚目:焦点距離150mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO1250
2枚目:焦点距離150mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO5000
3枚目:焦点距離68mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO4000

このレンズを使用する時の注意点

ベニコンゴウインコとルリコンゴウインコ。
焦点距離150mm 絞り優先AE(F2.8、1/1000) ISO800

望遠端での開放撮影時に非常に強い口径食が見られます。こういうシーンを撮影する場合は、少し注意が必要です。

まとめ

このレンズは、AF速度や、動物瞳AF、鳥瞳AFなども純正レンズと遜色なく、動き回る動物でもしっかりと撮影することが出来ます。最初に書いたとおり、多摩動物公園やズーラシアといった展示場が広く、動物との距離が離れている動物園では焦点距離が足りず不向きですが、動物と来園者との距離が近い動物園では、これ一本でもいろいろな動物の姿を収めることが出来ました。これから、初めて行く園館では必ず持っていく一本になりそうです。


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